今回は住宅購入時にローンを使う人に向けて理解してほしい事を伝えていく。
よくあるトラブル
いきなりだが、よくあるトラブル、実例を少しご紹介していく。
事例① 既存の借り入れ
審査に出す際に我々は必ず聞くことがある。
「既存の借り入れありますか?」
これに「いいえ」とこたえて審査用紙を書き進めていく。
書き終え、実際に審査に出し、結果は・・・非承認通知
その後お客様に確認すると、リボ払いがあり、その額が高く審査は非承認になってしまった。
事例② 事前審査は通過したのに、本審査で・・・
事前審査は無事に通過したお客様、物件も決まりこちらも無事に契約完了!
すべてが上手くいっていると思った矢先、本審査の結果でみんな驚愕した。
本審査の結果はなんと「非承認」それもそのはず、事前審査は通過すると99.8%は本審査承認するからです。
お客様に聞いたところ、なんと事前審査が通過してホッとしてベンツを購入してしまったのだ!
なんと!!ベンツを車のローンで購入した為、事前審査の時にはなかった借入が発生して借入金額の減額と銀行への申告漏れにより審査落とされてしまい、物件も買えずに諦めてもらった。

なぜ既存の借り入れを伝える必要があるのか?
住宅ローンの審査は、単に「その家を買うための借入額」だけを見ているわけではありません。
銀行は家計全体で無理なく返せるかどうかを重視しています。
たとえば車のローン、教育ローン、カードのリボ払い、分割払いなども、毎月の返済として家計から出ていきますよね。
これらを合計した金額が大きいと、たとえ年収が十分でも「返済が厳しいのではないか」と判断されることがあります。
この考え方を「返済負担率(返済比率)」と呼びます。
年収に対して毎月いくら返済するのかを計算し、金融機関はおおむね年収の25〜35%以内に収まるかどうかを目安にしています。
つまり、住宅ローンの返済額だけでなく、ほかの借入分も合計して計算されるのです。
住宅ローンは他のローンとどう違う?
車や家電のローンは、欲しい物を買うために数年で返済する「短期の買い物のローン」です。
一方、**住宅ローンは“家計の将来までを含めた長期契約”**です。
住宅は金額が大きく、返済期間も最長35年と長いため、(現在最長50年)金融機関は返済が最後まで無理なく続けられるかをより厳しく確認します。
このとき、「返済比率(年収に対して年間の返済が占める割合)」を特に重視します。
また、住宅ローンは家計における支出の優先度が最も高く、毎月の生活費や教育費、老後資金にも大きく影響します。
そのため、車や家電のローンよりも慎重に審査され、ほかの借入がある場合は合算して総合的に判断されます。
よくある誤解とそのリスク
「少額のカードローンだから言わなくていいと思った」
「車のローンはすぐ終わる予定だから申告しなかった」
上記のように考える方が多く、車や家電のローンなら上記のような事はほとんど申告しなくても組めてしまうが住宅ローンはそうはいかない。
貸す方の銀行も必死だから。
返せそうもない人に何千万と貸したくないのが本音。その為土地や家を担保にして抵当権を設定するのだ。
そして、仮に言わなかったとしても銀行のその先の保証会社は全て見えてしまうので、隠しても無駄なのである。
無駄どころか、今度は「それ、隠してたでしょ?」という疑いの気持ちで見てくるため、結果「信用ならねぇ~!!」ってなって【非承認】という回答になる。
そんなつもりは無くても、直接お客様に会えない保証会社としては提出した審査用紙でしか見るものが無いから。

正直に伝えることで得られるメリット
まずは営業担当者には少なくと全部話してもらえると、その後のトラブル回避になる事も。
経験のある営業なら、借入の内容を聞けばどの銀行に出せば通りやすいか?お客様に合った銀行を選ぶ事もでき、その後の決済までの流れも加味して提案できるはず!
だからこそ、なんでも正直に申告してほしい。
まとめ
住宅ローンの審査は、ときに緊張したり不安に感じるものです。
けれども、正直に話すことが、最終的にはご自身とご家族の家を守ることにつながります。
借入や返済にまつわることは、決して特別なことではありません。
担当者はそれを踏まえて最適なプランを一緒に考えるためにいます。
不安や疑問があるときこそ、どうぞ気軽に相談してください。
読んでくださった方の将来が、安心と笑顔に包まれた暮らしになりますように。

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